企業にとって第一の責任は、存続することである。言い換えるならば、企業経済学の指導原理は利益の最大化ではない。損失の回避である。企業は事業に伴うリスクに備えるために、余剰を生み出さなければならない。リスクに備えるべき余剰の源泉は一つしかない。利益である。

P.F.ドラッカー『現代の経営<上>』

企業経営で「利益の最大化」を目指す例は少なくありません。

しかし利益の最大化を行動原理にしてしまうと、多くの弊害が生まれます。

目指すべきは利益の最大化ではなく損失の回避です。そして、ここで注意しなければいけないのは回避するものは「損失」だと言うことです。

よく「リスクを回避する」という言葉を耳にしますが、リスクは回避すべきものではなく備えるものです。

リスクを避けていては新しいものを得ることはできないのです。