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コラム

人事制度

その手当、本当に必要ですか?

あなたの会社の給与、基本給の他にどんな手当がありますか?

よくあるものでは通勤手当や役職手当などが上げられます。

また、正社員にはいろいろ手当があるのに、契約社員やパートタイマーは基本給のみというケースも多く見られます。

今回はそんな手当に関して、最近の傾向や同一労働同一賃金の観点からはたして本当に必要なのかを考えてみましょう。

こんなケースは要注意

まず、正社員には手当があるが契約社員やパートタイマーには手当がない、または契約社員やパートタイマーにも手当はあるけど、正社員のみが支給対象の手当があるケース。

もしあなたの会社ががこれに該当する場合は要注意です。

少し前までは、「○○手当は正社員だけでパートは無し。なぜならパートだから。」といった感じで、特に明確な理由なく、正社員だから、パートだからと言った理由で支給のありなしがあるのが当たり前でした。

しかし、同一労働同一賃金がスタートしてからは状況が変わりました。

平成30年6月1日最高裁判決がでたハマキョウレックス事件では、無事故手当、作業手当、給食手当、通勤手当、住宅手当、皆勤手当が正職員のみで契約職員には支給されなかったことに対して、住宅手当以外は違反とされました。つまり、住宅手当以外は契約職員にも支給しなさいということです。

ちなみに、あくまでこの事案のケースでは上記の様な結果になったのであって、住宅手当は無条件に正社員のみで良いということではありません。

では、どのように判断すれば良いのでしょうか。

基本的な判断方法

基本的には各手当の支給目的を整理することから始まります。

例えばハマキョウレックス事件の住宅手当。これがなぜ正職員のみでも違反にならなかったかというと、同社の場合、正職員は転居を伴う異動があり、契約職員にはそれが無かったことが主な理由です。同社における住宅手当の目的は、業務都合で転居を伴う異動がある職員の負担を軽減するというものなので、そもそも業務都合の転居がない契約職員は支給対象ではないということです。

同じ住宅手当でも、仮に事業所が一箇所のみで、転居を伴う異動がない会社の場合は、正社員のみ住宅手当を支給するということは違反になる可能性が高いです。

このように、自社の各手当はそもそも何の目的で支給されているのか、その目的は正社員のみに該当するのか、契約社員やパートタイマーにも該当するのかを整理する必要があります。

この作業をすると、そもそも必要性が薄い手当も洗い出せます。そのような手当は廃止して基本給に組み入れてしまうなどしましょう。

最近は手当の数を減らす傾向にあります。弊社で人事制度構築のお手伝いをさせていただく際も、ほとんどのケースで手当は見直し前より減ります。

ちなみに注意が必要なこととして、ここまでの論点は正社員と契約社員やパートタイマーで手当のあるなしに合理的な理由があるかどうかです。あくまで有るのか無いのかということでありその金額については別の話となります。

つまり、同じ○○手当でも正社員と契約社員やパートタイマーで金額に差をつけることは問題ありません。ただし、差の付け方に一定の合理性は必要です。

例えば皆勤手当を例に挙げると、正社員(週5日勤務)の皆勤手当が10,000万円の会社で、週3日のパートタイマーの皆勤手当を6,000円(10,000円×3/5)とすることには一定の合理性があります。

手当の見直しは急務

日本・東京商工会議所が実施した「コロナ禍における雇用・就業面での対応等に関する調査」によると、「同一労働同一賃金」の対応状況について「対応の目途が付いている」と回答した企業は56.2%とようやく半分をこえたところです。

あなたの会社はどうでしょうか。対応できていますか?

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