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【マネジメント入門⑩】4つのマネジメント〜目の前の課題はどれに分類されますか?〜

ドラッカーマネジメントに興味があるけど何から手をつけていいかわからない人のための連載「マネジメント入門」、10回目は4つのマネジメントを取り上げます。

前回及び前々回の投稿で、最も基本的なマネジメントの体系を取り上げ、組織は道具だということをお伝えしました。

4つのマネジメント

実は、マネジメントは体系図をもとに4つの領域に分けることができます。この4つを知ることで、目の前の課題がどれに分類されるものかわかるようになり、解決の近道になります。

  1. 事業のマネジメント
  2. 仕事のマネジメント
  3. 人のマネジメント
  4. セルフマネジメント

事業のマネジメント

体系図の組織と社会を結ぶ位置にあるのが事業のマネジメントです。

経営者に贈る5つの質問を軸に、自社の事業を考える領域です。

ドラッカーマネジメントにおける事業の定義は、知識を経済価値に転換するプロセスです。自社の知識は何か、どのような経済価値を提供するのか、どのようなプロセスで提供するのかを扱います。

また、事業の目的は利益を得ることではなく、顧客の創造であり、顧客の創造の両輪となるのがイノベーションとマーケティングです。

代表的な著書としては、『マネジメント』『現代の経営』『創造する経営者』『イノベーションと企業家精神』『経営者に贈る5つの質問』などがあります。

仕事のマネジメント

組織における仕事を扱うのが仕事のマネジメントです。

一般的には後述の人のマネジメントと合わせて、組織のマネジメントやチームマネジメントとまとめて扱いますが、明確に分けているところがドラッカーマネジメントの特徴です(理由は後述)。

マネージャーの5つの仕事の中から主に仕事の分析と設計を行う領域です。まだそこに人という要素は存在しません。特に中小企業では、十分な仕事の設計がなされていないという現実があります。またもっと悪いのが人に依存して仕事が生まれてしまうというケースもよくあります。そうではなく、ミッションから導き出された成果に基づいて、必要な仕事を必要なサイズと順序で組み立てていきます。

代表的な著書としては、『マネジメント』『現代の経営』などがあります。

人のマネジメント

組織における人を扱うのが人のマネジメントです。

マネージャーの5つの仕事の中から人にかかわることを扱う領域です。仕事のマネジメントで設計した仕事を実際に遂行するのは人です。どれだけ完璧に設計された仕事も、それを遂行する人が適切に動いてくれないと成果は得られません。そのため、目標や評価と測定、コミュニケーションや会議、育成を通して、人のパフォーマンスを上げていきます。

代表的な著書としては『マネジメント』『現代の経営』などがあります。

セルフマネジメント

組織に属する一人ひとりが自らをマネジメントするのがセルフマネジメントです。

成果をあげる5つの能力を軸に、組織においてどのようなことを習慣化すれば成果をあげる人材になれるのかを扱います。一人ひとりが個々に実践できることが多いため、取り組みやすい領域と言えます。

代表的な著書としては、『経営者の条件』『プロフェッショナルの条件』などがあります。

4つのマネジメントの関係

前述の通り、一般的に組織のマネジメントやチームマネジメントと言われる領域をドラッカーマネジメントでは仕事のマネジメントと人のマネジメントに分けています。これは、4つのマネジメントが体系図のちょうど真ん中から上と下で分けられることに理由があります。つまり、事業のマネジメントと仕事のマネジメント、人のマネジメントとセルフマネジメントという組み合わせです。

真ん中より上の事業のマネジメントと仕事のマネジメントは非常に客観的、論理的な世界です。組織のミッションからスタートして、それぞれの仕事まで分解する過程は原則として感情をはさむ余地はなく淡々と進めます。

逆に真ん中より下の人のマネジメントとセルフマネジメントは主観的、情緒的な世界です。そこには明確に人が存在し、感情や価値観などが影響してきます。

一般的な組織のマネジメントやチームマネジメントという領域は、全く別の世界を一緒に扱ってしまうことに無理があるのです。

このように4つのマネジメントを知ることで、仮に目の前に解決したい課題があったとき、それがどの分類に当てはまるのかを判断することができます。あとは、その分類について書かれている書籍の該当する章をパラパラとめくればそこにヒントが書かれています。

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