利益に関する最も基本的な事実は、「そのようなものは存在しない」ということだからである。存在するのは、コストだけなのである。

P.F.ドラッカー『すでに起こった未来』

会計上の利益は「売上－費用」から算出されるものです。

いったい、利益が存在しないとはどのような意味なのでしょうか。

ドラッカー教授は、『乱気流時代の経営』で次の様に書いています。

農民にとっての種子が、余剰ではあっても利益ではないことは誰もが知っている。しかし経営管理者を含め、誰も、営業報告書に記載された利益が利益でないことを知らない。それは種子である。まだ支払われていないものの、事業継続のためのコストである。

つまり、利益は来年以降の事業活動のための「種子」なのです。いわば繰り延べられたコストです。

このことを忘れて利益すべてを余剰と勘違いしてしまうことはとても危険なことです。