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コラム

人事制度

採用面接で予定より高い給与を求められたときには

募集してもなかなか応募がない。

やっと応募があったと思って面接したけどなんかピンとこない。

そんな中、この人なら!と思う人が面接にきてくれたけど、希望条件を聞いたら予定していた給与より高い額を提示してきた…。

こんなときどうしますか?

今回は、新規採用時に会社が想定していた金額以上の給与を提示された場合の対応を整理しましょう。

予定していた給与

そもそも予定していた給与と言っても様々なケースがあり、例えば以下の様なものが想定されます。

  • 自社の人事制度にあわせたスタートの金額
  • 明確な人事制度は無いが既存社員とのバランスから決めた金額
  • 初めての採用で相場がわからずとりあえず決めた金額

いずれの場合もまず基本は予定していた金額以上を出してでも採用したいかです。今どうしても人が足りない、とても優秀な人材(に見える)など、何らかの理由により何が何でも採用したいのであれば、提示された金額を出すか、もしくは金額交渉をしましょう。

予定していた金額以上出す場合のポイント

次に、予定していた金額以上出す場合に抑えておきたいポイントをお伝えします。

①上乗せ分は手当にする

例えば、基本給25万円の募集で面接し、求職者が28万円という希望額を提示、かつ会社としても28万円で受け入れることを決めた場合は、基本給25万円+○○手当3万円としましょう。

上記の例の場合、プラス3万円支払ってもいいと思った理由があるかと思います。しかし、実際に働いてもらうとそのときの期待に見合わなかったということがよくあります。その場合、基本給を28万円としてしまうと期待に満たなかったからといって25万円に下げることは原則としてできません。しかし、3万円の手当をカットすることは基本給を下げるよりもハードルが低いです。もちろん、採用時にプラス3万円の根拠、その根拠が満たない場合はカットされることをしっかり求職者に説明しましょう。

加えて、この手当は就業規則に明記されているものを利用するか、適切なものが無ければ就業規則に追加することを忘れないようにしましょう。また、支給に関して特に期限がないのか、一定期間でなくなるのか、昇給と相殺するのかなど、手当の期限に関しても決めておく必要があります。

②上乗せの限界額

前述の例では3万円上乗せしていますが、そもそもいくらまでなら上乗せできるのでしょうか。これは上乗せの原資をどうするかによって決まってきます。

例えば、よく利用される上乗せ原資として賞与があります。つまり、月給を上乗せする代わりに、賞与を減らす、もしくは賞与は支給しないというものです。

前述の例の会社で賞与を毎年平均すると4か月分出しているとします。25万円の4か月分は100万円です。この100万円を12で割ると約8.3万円となり、この金額が上乗せ限界額の目安となります。ただし、賞与は業績や直前の評価で上下することが一般的です。そのため、平均賞与額を元に計算した金額を出してしまうと平均額の賞与をもらったのと同じ年収を保証してしまうことになるので避けましょう。賞与の平均額ではなく最低額を使って計算する方がよいかもしれません。

加えて、上記の方法で上乗せした人の賞与をどうするかもルール化しておく必要があります。ルール化のパターンとしては次の様なものが考えられます。

  1. 賞与は原則として支給しない
  2. 本来の支給額から上乗せ額を差し引いた金額からさらに一定減額して支給
  3. 本来の支給額から上乗せ額を差し引いた金額を支給

1と2は上乗せ額の支給が会社として例外的な扱いであり、年収ベースにすると通常よりも低くなるという考え方です。一方3に関しては上乗せ額の支給は例外的な扱いというものではなく、あくまで従業員の選択によるものというときに利用されます。

上記の方法は、賞与を原資にしたくない、もしくはそもそも賞与が十分支給できていない、また年収ベースで話をしている場合は利用することができません。この場合はシンプルに追加でどれだけ出す余力があるかどうかで決めるしか無いかもしれません。

③昇給の扱い

上乗せ額を支給する際、昇給の扱いも決めておく必要があります。前述の通り上乗せ支給の手当てに関して期限をどうするに関わるのですが、上乗せした手当をあくまで一時的なものとして昇給と相殺するというやり方があります。

例えば、基本給25万円+○○手当3万円の人が5,000円昇給した場合、基本給25.5万円+○○手当2.5万円とするやり方です。つまり、相殺される手当が無くなるまで、昇給しても総支給額が変わらないという仕組みです。もちろん、相殺されずに昇給するやり方もあります。この例で言うと、基本給25.5万円+○○手当3万円の合計28.5万円になるやり方です。また、これらのハイブリッド型として、昇給額の○%を手当の相殺として当てるということもありです。

いずれの方法をとるにしても、人事制度のマニュアル等に明記し、あらかじめ合意を取るようにしましょう。

金額交渉のコツ

求職者が提示してきた金額はどうしても支払うことができない、あるいは予定と差が大きすぎて現実的でない場合など、必要に応じて求職者と交渉することがあるでしょう。その際には、給与額以外の要素で交渉のカードがないか探してください。

例えば、給与はそこそこもらえるけど、ハードワークでブラックな会社から転職しようとしている求職者の場合、自社は給与に関しては低くなるけど、コンプライアンスは遵守しており福利厚生もしっかりしてるといったことが交渉材料になるでしょう。

目の前にいる求職者がどういう理由で転職しようとしているのか、何を求めているのかを見極めることが重要です。

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