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【マネジメント入門⑤】成果とは何か

ドラッカーマネジメントに興味があるけど何から手をつけていいかわからない人のための連載「マネジメント入門」、5回目は「成果とは何か」です。

ドラッカーマネジメントにおいて、重要度ナンバーワンといっても過言ではない成果という言葉、いったいどのような意味なのでしょうか。また成果を上げるにはどのようにすればいいのでしょうか。

成果とは

ドラッカーマネジメントにおいて成果という言葉は非常に頻繁に出てきます。それだけ、成果という言葉、成果を上げるということを重要視しているのですが、そもそも成果とはどのような意味で用いているのでしょうか。

前回のマネジメント同様、「成果とは」から始まる文章は様々です。その中でも最もマネジメントにおける最も重要な成果の定義としてドラッカー教授は次の様に書いています。

組織の成果は、一人ひとりの人間の生活、人生、環境、健康、期待、能力の変化という組織の外の世界に現れる。

P.F.ドラッカー『経営者に贈る5つの質問』

つまり、成果とは何かを一言でいうと次の様になります。

成果とは外の世界における変化である

一般的に、「成果を上げる」という表現を聞くと、売上をあげるというようなものをイメージする人が多いのではないでしょうか。もちろんこのような業績という意味で成果という言葉を使うこともあります。しかし、もっとも重要な成果の意味としては会社内部ではなく外の世界に目を向けたものです。

会社は事業活動を通して、お客様やその先の社会に変化を起こしています。何の変化も起こさない事業活動はないでしょう。その変化こそが成果なのです。

逆に言うと、あなたの会社は日々どんな変化を起こしたくて事業活動をしているのでしょうか。お客様にどんな変化を起こしたくてあなたは日々仕事をしているのでしょうか。

この点は会社として共通の定義をもつ必要があります。共通の定義をもたず、働く人それぞれが別のことを思い描いていると会社としての活動はバラバラになってしまいます。一体となって仕事をするためにも共通の方向性が必要です。

もし共通の定義がまだないのであればすぐにでもこのテーマで話し合いましょう。

また、ドラッカー教授は次の様なことも書いています。

To be effective is the job of the executive.
成果を上げることは、仕事を遂行することである。

“To effect” and “to execute” are after all, near-synonyms.
成果を上げることと仕事を遂行することとはほとんど同義である。

P.F.ドラッカー『経営者の条件』(原文)

成果を上げることと仕事を遂行することは同じだと言ってます。言い換えると、仕事で成果を上げるのは当たり前のことだとも言えます。

成果を上げるには

では、成果を上げるにはどうすればいいのでしょうか。

よく、「あの人は仕事ができる人だ」とか、逆に「あいつはだめだ、全然仕事ができない」なんて言葉をよく耳にします。あなたの会社でも仕事のできる人と仕事のできない人というレッテルが存在するのではないでしょうか。では、その差はいったい何なのでしょう。

ドラッカー教授は次の様に書いています。

成果を上げる人と上げない人の差は才能ではない。いくつかの習慣的な姿勢と基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。

P.F.ドラッカー『非営利組織の経営』

この文章によると、仕事ができるかどうかは才能は関係なく、習慣的な姿勢と基礎的な方法を身につけているかが関係しているようです。ポイントは身につけているかどうかという表現です。つまり、どんな人でもドラッカー教授がいっていることを身につけることで成果を上げる人になれるということです。

これはとても勇気をもらえる文章ではないでしょうか。

ここでまず身につけるべきものが、ドラッカーマネジメントにおいてセルフマネジメントという領域で述べられている成果を上げる5つの能力です。

成果を上げる5つの能力

  1. 時間を管理する
  2. 貢献を重視する
  3. 強みをいかす
  4. 重要なことに集中する
  5. 成果のあがる意思決定をする

詳細は改めて取り上げますが、どれも決して難しいことではなく、習慣化できるかどうかが重要になってきます。

組織の中で言葉の意味を整える

前述の通り、成果と胃言葉の意味が組織内でバラバラに捉えられていると一体感は生まれません。それどころか、それぞれが自分の思う成果のために動くと全体としてはうまく機能しなくなります。つまり、組織内で言葉の意味を整えることはとても重要です。

目を閉じて「コップ」をイメージしてください。

あなたはどんなコップをイメージしたでしょうか。持ち手のついたマグカップでしょうか。透明のグラスでしょうか。

組織の中で当たり前のように使っている言葉も、実はそれぞれ別の意味として捉えています。このばらつきを少しでも解消し言葉の意味を整えると、組織内のコミュニケーションが円滑になり、全体の成果も向上します。

そういう意味で、組織全体でドラッカーマネジメントに取り組むことはとてもおすすめです。仕事という場面で重要な意味を持つ言葉が多数出てきます。そしてその意味がドラッカーマネジメントで使われている意味で統一されていきます。

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